【活動報告】山口県「ドローンを活用した物資輸送実証事業」を山陽小野田市で実施
― 災害時を想定した効率的な物資輸送モデルの検証 ―
当社は2025年11月21日、山口県より依頼を受け、山陽小野田市にて「ドローンを活用した物資輸送に係る実証事業」を実施いたしました。
本事業は、道路寸断や孤立地域の発生を想定し、災害時における迅速かつ効率的な物資供給体制の確立を目的としたものです。

実証事業の目的
近年、地震、豪雨、土砂災害などにより道路交通が遮断されるケースが増加し、被災地への緊急物資輸送が大きな課題となっています。
こうした背景のもと、山口県は 「災害時の代替輸送手段の確保」 をテーマに、ドローンを用いた物資輸送モデルの検証を進めています。
当社はその一環として、産業用大型ドローンを用いた実証飛行を担当いたしました。

産業用大型ドローン「FlyCart 30」による試験飛行を実施
実証では、DJI製大型産業用ドローン FlyCart 30(FC30) を活用し、以下の内容を検証しました。
- 災害発生時を想定した物資輸送ルートの設定
- 指定地点への資材輸送およびウインチによる降下
- 山林・山間部における安全な飛行と着陸の可否
- 運用体制(人員・安全管理)の適正評価
FC30は最大30kgの積載能力を持ち、地上からのアクセスが困難なエリアにも短時間で物資を届けることが可能です。
実証では、想定した目標地点へ物資を正確に降下させ、ドローンによる物資輸送の有効性と即応性を確認しました。

行政・関係機関との連携
今回の実証事業では、
- 山口県防災危機管理部
- 山陽小野田市担当部署
- 消防関係者
- 地域の防災団体
など、多くの関係機関と連携して実施を進めました。
事前の安全協議、現地調査、飛行計画策定など、行政との連携体制のもと、実運用を想定した高いレベルの実証を行うことができました。
実証結果と今後の可能性
今回の実証では、
- 地上ルートが寸断された際の代替輸送手段として有効
- ウインチ降下によるピンポイント配送が災害現場で有用
- 市街地から離れた地点でも安定した飛行性能を確認
といった成果が得られました。
今後は、
- より長距離・高頻度での運用
- 山岳地帯・離島などでの追加検証
- 災害時の物流指揮体系への組み込み
など、実装に向けたフェーズへステップアップすることを目指し、引き続き実証を進める予定です。
まとめ
今回の山口県からの実証事業を通じて、ドローン物流が地域防災の強化に大きく寄与することが改めて確認できました。
当社は引き続き、自治体や防災機関と協力し、ドローンを活用した災害対応・物資輸送の社会実装に取り組んでまいります。
実証事業、デモ飛行、研修などのご相談はお気軽にお問い合わせください。
